イヴァナチャバック認定講師のサリーこと真弓紗織です。

私は、元々演技とは全く違う仕事をしていました。

そんな私が認定講師になったことを不思議に
思う方もたくさんいると思います。

初めましての方も多いと思うので、今回は、私が認定講師になるまでのお話をさせていただければと思います。

私の経験

私は、クスリや注射を使わない小児科医の娘として生まれました。

人は窮地に立たされると、誰かや何かを頼ろうとしますが、父は患者さんたちにそれをさせませんでした。

父がしていたことは、彼らの中に自然治癒力(人智を超える力)があることを思い出させることだけでした。

父のところには子どもたちだけでなく、難病と言われる大人たちも多く来ていましたが、
彼らは自分たちの力で病気を克服していきました。

難病の一番の原因は何だと思いますか?

それは「自分には克服できない」という呪縛です。

そこに気づき、克服した人こそが病気を克服していきました。

父の話はドキュメンタリー映画となっていますので、機会があればぜひご覧ください。

こちらには予告編のリンクを貼らせていただきます。

真弓定夫ドキュメンタリー「蘇れ 生命の力」予告編 ロングver – Bing video

演技=現実逃避?

さて、こんなことを言うと、多くの方を敵にするのかも知れませんが、初めにお伝えしたいことは

私は『演技』のことを『現実逃避』するためのツールだと思っていたことです。

スーパーマンやスパイダーマンなど、自分以外のスーツを着ることで、自分を強化するようなものだと思っていたのです。

2015年 イヴァナのワークショップ

でも、2015年、イヴァナが初来日し、イヴァナの指導を見てわかったことは、

『演技』はどのような台本を渡されても、どのようなスーツを着せられても、
『自分自身』を表現するものなのだということでした。

どのような環境に置かれたとしても、キャラクターという存在と、それを演じる自分という存在を『生き残らせる』ことが俳優としての『義務』だということを知ったのです。

診療とイヴァナの演技指導の共通点

これは、父の診療と全く一緒でした。

誰にどういう病名をつけられても、
誰かの言う通りの人生を生きるのではなく、
自分の言う通りの人生を生きる!

それこそが人間としての『義務』だと思うのです。

イヴァナという人も、
イヴァナのテクニックも
本当に凄いと思いました。

それでも、当時の私には演技をしたい
という気持ちが芽生えることはありませんでした。

私には別の仕事があったからです。

でも、イヴァナの本を日本語に翻訳したのはパートナーである白石哲也であり
(もちろん、その本が生まれるまでには、認定講師の高橋一哲さんを始め、
多くの方のサポートがあったからなのですが)

イヴァナのワークショップを開催するのも白石だった為、私は彼を手伝い続けました。

肉体的にも精神的にも疲弊することも多いですが、本当におかげさまで
東京ワークショップの開催は、ほぼ毎年させていただいています。

LAにあるイヴァナのスタジオで2週間学び続ける『LAブートキャンプ』も
毎年恒例になってきました。

それでも私の中に演技をしたいという気持ちが芽生えることはありませんでした。

2019年 LAブートキャンプでの転機

ところが、2019年にLAブートキャンプへ行った時、『それ』は急に訪れました。

イヴァナから不意にこのような言葉をもらったのです。

「サリーはティーチャーにならないの?」

衝撃的でした。

何故なら、それまでの私は演技など一度もしたことがなかったからです。

そして、私の英語力は、イヴァナのクラスを受けられるほどではなかったからです
(インドやヨーロッパに1人で行けるようなコミュニケーション力はありますが、
持続して会話をするだけの力は今でもありません)。

でも、イヴァナのあの一言で、どれだけ自分が動揺したのかは、いまでも忘れません。

どうやってもティーチャーになるというゴールを達成出来ないと思った時、はっきりと答えが出ました。

「達成できないと思っている私だからこそ、チャレンジするべきだ!」

そこが私のスタートでした。

イヴァナの『勝者になるための(生き残るための)テクニック』は、
12のステップに分かれています。

その中にあるステップ3は『障害』です。

「障害を演じるのではなく、乗り越えろ!」

それがイヴァナのテクニックの一つです。

障害しかない自分だからこそ、乗り越えてみようと思ったのです。

障害をのり超える

イヴァナチャバック

それから一年後、私は仲間と共にティーチャートレーニングに参加しました。

ところが、幸か不幸か、参加と同時に、世の中がロックダウンになりました。

イヴァナのスタジオもクローズせざるを得なくなりました。

通常の人なら、そこで落ち込むのかもしれません。

でもイヴァナは違いました。

イヴァナはどのような時でも、起きたことを受け入れ、次に向かいます。

どのような時でも軌道修正を恐れません。

「制限を受けた環境の中で、何が出来るのか?」

急に起きた障害(ロックダウン)に引きずられることなく、
私たちに次なる環境を作ってくれました。

オンラインクラスという新たな選択も生まれました。

リアルを追求するイヴァナが、最もご法度としていたことがオンラインでした。

それでも、目的を達成するためにはすぐにでもルールを変える
イヴァナの潔さには本当に感服でした。

トレーニング中、イヴァナからは本当に叱咤激励を受け続けました。

「あなたたちが成長できるなら、あなたたちに嫌われることなんかどうでもいい」

「私の愛は、愛じゃない。タフラブよ」

出し惜しみないタフラブを受け取りながら、私はただただ学び続けました。

そして、恐れることなく、自分を表現し続けました。

そして2020年5月 無事に認定講師になることが出来ました。

ここにはトレーニングを一緒に受けた仲間と、イヴァナの言葉を全て通訳してくれた
パートナーの白石の力が大いに影響しています。

心から感謝しています。

イヴァナは、世界中に自分のレガシーを残したいと言っています。

レガシーというのは『自分の子ども』という意味で、イヴァナは世界中に「勝者になるための(生き残るための)遺伝子をもった子どもたち」を産み続けているのです。

私もイヴァナからその遺伝子を受け取りました。

今後はそれを、イヴァナと同じように出し惜しみなく皆さんにお渡ししていくのが
私の使命の一つだと思っています。

演劇指導者認定書