イヴァナチャバック・スタジオでの2ヶ月間のティーチャー・トレーニングがいよいよ始まった。

この2ヶ月、認定講師の資格を取るまで、一緒に走ったのが現在、チャバック・ジャパンを主催する高橋一哲氏だ(以後:「一哲」と敬称略)

彼は、僕がティーチャー・トレーニングを受けることを決めたことを告げると、一緒に受けたい、とすぐに希望してきた。

もともと、教えることが好きで、教師になりたい、という希望もあったそうだ。

僕とは、本当に対照的なのだが、彼は、教えることが本当に好きな人物で、現在の彼の指導を見ていると、イヴァナのテクニックを指導をするのが本当に大好きなのだ、ということがよくわかる。

イヴァナにも了解を取り、僕たちは2人で過ごす2ヶ月間の計画を立てた。

ロスに2ヶ月間滞在するというのは、短期滞在としては結構長い。

現在、日本人がVISA無しで米国に滞在できるのは、3ヶ月までであり、そのためには、ESTAという旅行ビザの代わりのものを取ることになっている。

費用のこと、滞在先のこと、等考えるべきことがたくさんあった。

ロスで生活するために必要なこと

認定講師のトレーニング代がかかることは当然だが、宿泊費、食費、日本のように公共の移動手段が発達していないロスで、移動をどうするかなどを考える必要があった。

まず決めたのが、車を借りることだ。

LAでの移動に車は必要不可欠と考え、2人で2ヶ月間、レンタカーを借りた。2ヶ月も借りると、ものすごく高いのでは、と思われるかもしれないが、これくらいの長期契約で借りると、かなり安くなる。

ちなみにこの時代は、まだUberを始めとするシェアリングサービスは今ほど一般的ではなかった。

今、ある程度の長期間行くなら、Uberの方が安くつくと思うし、安全性などを考えてもお勧めだ。

そして宿泊先に関しては、まず、滞在先として決めたのが、現在、LAブートキャンプでも使っているユースホステルBanana Bungalow West Hollywoodだった。ここは、イヴァナのスタジオがあるウェスト・ハリウッドという地域の中の宿泊施設としてはおそらく最も安いのではないか、と思われる。

そもそも、ウェスト・ハリウッドはロスの中でも物価が高いエリアだ。

いわゆる観光地としてのハリウッドも近いが、イヴァナのスタジオがあるメルローズ通りはファッションの発信地としても有名だし、ゲイのコミュニティとしても有名な場所だ。レストランなども所謂「業界人」もよく使っていると言われており、お金がかかるエリアなのである。

後に移動するのだが、僕たちは、イヴァナのスタジオに通い慣れるため、スタジオに歩いても行ける場所にある、このホステルに滞在を決めた。

凸凹コンビ始動!

さて、僕と一哲はある意味凸凹コンビだった。

彼は、大雑把な僕と違って非常に慎重で、計画的な人物でもある。ティーチャー・トレーニングを受けるにあたり、英語力が不安だと思った彼は、なんと最初のうちは通訳をつける、という選択をした。

彼は、オーストラリアでこの世界に入ったということもあり、外国人とのやり取りは比較的慣れており、決してコミュニケーションを取れないわけではなかった。

それでも、ティーチャー・トレーニングとなると、言語的には、かなり細かい話が出てくるので、それを見越して、彼は通訳を雇うことを前提で今回のトレーニングに臨んでいた。

そしてついに、2人で初めてチャバック・スタジオに行き、イヴァナのクラスの見学する日がやってきた。

一哲にとっては、いよいよ、イヴァナとの初対面である。

ところが、

思わぬ事態が僕らを待ち受けていた・・・