イヴァナチャバックのクラス初見学の衝撃・・・
この見学が僕に与えたインパクトは大きかった。

スタジオ独特の緊張感に溢れピーンと張り詰めた空気の中で見たイヴァナの指導で、演技が次々と変わる衝撃の光景は言葉で言い表すことができない。

ただ、ただ、

これは、絶対に日本に伝えなければならない!!!

という想いが、自分の中からふつふつと湧き上がってくるのを感じていた。

俳優として活躍したい、という想いでやってきたLAだったが、その時、自分が世の中に一番貢献できるのは、イヴァナチャバックを日本に伝えることだ、というのを直感的に感じとった。

これが縁というものなのだと思う。

全く、予想もしていないことだったが、イヴァナは、僕が日本への架け橋になる可能性を見出し、そこに賭けてくれた。

自分の頭では考えられない異次元の世界で成功している人からチャンスを与えられたなら、その時は全部、賭けるしかない。

僕は、その時点で、当初抱いていた「日本とハリウッドを繋げる」というヴィジョンの中心に

イヴァナを置くことにした。

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イヴァナからの招待状

ロスではいろいろな人との出会いがあり、それぞれの出会いは、発展させれば、面白い方へ向かう可能性は感じられた。だが、イヴァナとの出会いは、それら全部を手放しても、フォーカスすべきと思える大きな可能性を秘めている、と感じていた。

大きな転機となった、この時のLA出張も終わりに近づいていた。

僕は、帰国したらとにかく、イヴァナの著書「Power of the Actor」の日本語翻訳に燃えよう、ということだけを考えていた。

そんな帰国直前のタイミングで、イヴァナは僕を自宅に呼んでくれた。

何と、プライベートでレッスンをしてくれる、というのだ。

これには、ビビった!

マジか!!!!????、と。

この時の彼女の意図は、

あなたには、私のテクニックを体感してもらう必要があるから

ということだった。

そう、僕はまだクラスを見学しただけで、イヴァナ・マジックの体感者ではなかった。

それがあるのとないのでは、本の理解度も全く違うはずだった

イヴァナのプライベートレッスン

というわけで、僕は初めてイヴァナの自宅にやってきた。

イヴァナの自宅は、スタジオからそんなに遠くない場所にある。

スタジオが、メルローズ通りの喧噪を感じる、ラフな印象がする場所であるのと対比して、イヴァナの自宅は、いかにもお金持ちしか住めないであろう、閑静な住宅街にあった。

素敵な場所だなあ!!!!

それが最初の印象だった。

そして、イヴァナは、自宅に僕を迎え入れてくれた。

イヴァナの自宅は、生活空間なのだが、そんな中、イヴァナの仕事部屋があった。家自体は結構モダンな感じなのだが、イヴァナの仕事部屋だけはクラシカルな雰囲気が漂い、別世界を醸し出している。

ある意味、僕のもう一人の演技のメンターでもあるNIDA(オーストラリア演劇学院)でボイスを教えていた、ビル・ペッパー氏(ラッセル・クロウやニコール・キッドマンを指導)の書斎を思い出させた。

氏は、大のイギリス好きで、氏の自宅は、シェイクスピアの戯曲を始め、ありとあらゆるイギリスの著名作家の文献で溢れていたのだが、イヴァナの書斎の雰囲気はそれに近かった。

もちろん、イヴァナの場合、自分の著書の各国語版がずらりと、わかりやすく陳列されていた。

当時はもちろん、日本語版は出ていないが、後に、我が日本語版も、イヴァナの書斎の中で存在感を放つことになる。

興味津々でキョロキョロしていた僕をイヴァナが誘導してくれた。

そこにお座りなさい。

大きな黒い椅子があって、僕は恐る恐るそこに腰掛けた。

「その椅子に、シルベスター・スタローンが座っていたのよ」

僕は、!!!!!!!となった。

まさに、ハリウッドと日本をつなぐ事業が現実味を帯びてきた、と感じた瞬間だった。

さて、イヴァナはプライベート・レッスンで、どんな風に教えているのか、興味を持っている人もいるだろう。

ハリウッドのトップ・アクティング・コーチというと、もしかすると、セットに張り付いて、つきっきりで担当の俳優を指導している、というイメージを持つ人もいるかもしれない。

僕がイヴァナに聞いた限り、そのようなことは稀ということだ。

基本は、アクティング・コーチが関わるのは、俳優がセット入りする前の段階とのこと。

俳優がもらった台本について、一緒に台本分析を行い、役作りを助ける。そのために、アクティング・コーチが存在する、というイメージだ。

だから、今までにイヴァナが関わった作品における俳優の役作りのほとんどが、彼女の書斎において行われていた、ということになる。(演技経験がなかったビヨンセの場合のみ、例外的にセットで仕事をした、とのこと)

初めてイヴァナの家に出向いたあの日は、もちろんそんな事は知る由もない。僕は、どんな指導をしてもらえるのか、とにかく、興味津々で彼女の前に座った・・・


この続きはのちほど・・・