結婚しない女は美人が多い!
色んなサイトにこういう内容の記事がまことしやかに書かれていますが、本当なんですかね?
特に結婚相談とか婚活サービスに結びついている場合が多いようですが、美人なのに結婚できない女性の特徴があるんだとか。少し引用してみましょう。
美人なのに結婚できない女性の特徴
・そもそも結婚願望がない
婚活会議
・ 結婚への理想が高すぎる
・モテた過去を引きずっている
・プライドが高い・気が強い
・子供が嫌い・苦手
・収入が少ない・浪費家
・ 高学歴すぎて高嶺の花になっている
・ダメ男に引っかかっている
・家庭的な一面がない
・アラフォーになって諦めている
どうですか? あなたはこれを見て「美人なのに結婚できない女性の特徴」だと納得する感じですか?「美人なのに」って表現もすごいですが、個人的に疑問を持つのは、文章がすべて
結婚しない女=結婚できない女=ダメな女
という文脈で書かれたものであることです。
そもそも「結婚しない=結婚できない」と決めつけることも、時代性を考えると結構強引な力技ではないのかなとの感想を持ちますし「結婚しない=結婚できない」だから「ダメな女」とするのは、ちょっと飛躍がすぎるようにも思います。
「結婚しない女」という女の人の中には
- 結婚したくない
- 結婚という制度にこだわらない
- そもそも結婚する気がない(結婚願望がない)
- キャリアを突き詰め「自由気ままに生きる人生」を選ぶ
などなど。例をあげればキリがないと思うんですが「結婚しない女」の中には、そういう多様多様な価値観を持っている女性たちも勿論含まれている筈ですし、美人であるかどうかも、まあどうでもいいというか関係あるんでしょうか?
まあ、僕は男ですから「結婚しない女は美人が多い」と聞くと「ああ、そうなんだ」と短絡的に考えてしまいましたが・・・(単純!^^:)
ただそれだけ、女性にとって「結婚」というものが、人生の中で重要なものだということの裏返しかも知れませんね(勿論、男にも重要ですが・・・)
映画「結婚しない女」に女としての生き方を学ぶ
さて、では映画「結婚しない女」という作品をご紹介したいと思います。
2019年のイヴァナチャバック来日ワークショップでも、プレイヤーの演目に選ばれたので、ワークショップに参加された方なら、「ああ、あの作品ね」と思い出して貰えるかも知れません。
作品の時代背景と簡単なあらすじ
映画「結婚しない女」が製作されたのは1977年(日本では、昭和52年)ですから、今から40年以上も前の作品になります。
1975年、国際連合による「国際婦人年会議」がメキシコで開催され、「女性の平等と発展と平和への貢献に関するメキシコ宣言」が採択されて、 女性の社会進出が世界的に走り始めた時代背景の中、作られた映画です。
1977年当時のアメリカもまた、女性の社会進出が大きく取り上げられおり、公開当時は、女性映画ブームの代表作として注目されました。
主演のジル・クレイバーグは、この作品で第31回カンヌ国際映画祭で女優賞を同時受賞しています。
※女優賞もう一人の受賞者は、映画「ヴィオレット・ノジエール」のイザベル・ユペール)
映画「結婚しない女」の物語の舞台は、ニューヨークです。
ウォール街の証券マン・マーティンと画廊で働くエリカという夫婦を軸にしてストーリーは展開していきます。「結婚しない女」と聞くと、独身女性のわけあり人生かと思いきや、既婚者で結婚している女性が主人公というのが、まず面白いなと思います。
主人公のエリカは結婚16年目の主婦。
夫と愛娘・15歳のパティとの平凡な幸せを感じて不満もなく生きてきたのですが、ある日突然、夫・マーティンから浮気をしていたことを告げられて、二人は離婚することになってしまいます。
妻として、母として生きてきたヒロインが、急転直下、思いもよらないタイミングで離婚を経験することで、否応なく社会と深く関わりあいながら、やがて女性としての精神的な自立をするまでの姿を描いています。
結婚しない女、とは、女性として自立して生きていく決意を表したタイトルなのかも知れませんね。
1977年頃のアメリカ女性の生き方、その考え方を、当時のニューヨークの雰囲気や空気感を感じながら、是非、一度見てみてほしいと思います
ちなみに参考までに、日本で「男女雇用機会均等法」が成立したのは、映画から遅れること10年以上も経った1985年。やはりアメリカは日本よりずっと先に女性の社会進出に関して多くの闘いがあったんだな、との感想を持ちました。
古い映画ですが、いま現在の働く日本女性の共感も十分に得られる映画だと思います。今の自分と比較することで、また多くの気づきや学びを得られる作品ではないでしょうか。
映画「結婚しない女」のスタッフ&キャスト
制作スタッフ
監督 | ポール・マザースキー |
脚本 | ポール・マザースキー |
製作 | ポール・マザースキー |
トニー・レイ | |
音楽 | ビル・コンティ |
撮影 | アーサー・オーニッツ |
編集 | スチュアート・H・パペ |
出演キャスト
役名 | キャスト |
エリカ | ジル・クレイバーグ |
ソール | アラン・ベイツ |
マーティン | マイケル・マーフィー |
チャーリー | クリフ・ゴーマン |
パティ | リサ・ルーカス |
エレイン | ケリー・ビショップ |
スー | パトリシア・クイン |
ジャネット | リンダ・ミラー |
ボブ | アンドリュー・ダンカン |
イヴァナチャバック・ワークショップ雑感
映画「結婚しない女」は、2019年のイヴァナチャバック・ワークショップでも取り上げられました。
エリカは急な離婚によって心患い、セラピストのターニャの事務所に出向き、助けを求めて彼女のセラピーを受けるシーンです。
女性としての悩み、母としての悩み、あけすけな男やセックスに関する話、孤独感などに関して、 エリカとターニャーはセラピーという手段を借りて気持ちを吐き出していくのです。
また台詞にもありますが、セラピストのターニャも離婚を経験しており、エリカと似たような境遇を持っている設定が、このシーンをより興味深いものにしてくれます。
イヴァナチャバックがよく言うことに「決して被害者になるな」という言葉があります。
たびたび耳にする言葉なので既に記憶している方も多いと思いますが、 決して内に篭らることなく「目的を何がなんでも勝ち取りに行け」ということ。
エリカもセラピスト・ターニャも、離婚したことで世間から受ける評価は一切関係なく、自分の身勝手で自己中心的な思いを思う存分に取りに行きなさいということです。
結果、イヴァナの直接指導の入った2日目のワークショプは最初に演じたシーンとは違い、二人の女優さんの演技や関係性はどんどん劇的に変化し、とても見応えのあるシーンになったと記憶しています。
映画「結婚しない女」は、カンヌ国際映画祭で女優賞を取った素晴らしい作品です。 けれど、イヴァナ的には、映画のこのセラピーシーンは、映画のシーンより、もっと面白くもっともっと女性たちが魅力的に描けるシーンになる筈だと感じているのです。
これからのワークショプでも演目として取り上げれる可能性が高い作品だと思います。是非、あなたもあなたなりの「女の生き方」を表現してエリカやターニャを演じて欲しいと思います。
楽しみにしています。